Adobe Fireflyを試してみた:画像生成AIツール

Adobe Fireflyを試してみた:画像生成AIツール

Adobeが、9月13日より画像生成AIツールAdobe Firefly(ファイアフライ)」の一般提供を開始しました。

今まではベータ版だったのですが、正式版となり作成物の商用利用プロンプト(作成指示文章)の日本語入力が可能となりました。

Adobe Firefly

Adobe Firefly – 誰でも使える生成AI

今回はこれのご紹介。

利用可能なプランは?

Adobe Fireflyを利用できるのは、Creative Cloudのコンプリートプランと一部の単体プラン及びWeb版。
それとAdobe Expressの有料版でも使えます。

無料でも使えなくはないのですが、利用回数(後述)に制限がかかるのと、作成物にAdobeロゴの透かしが小さく入ります。

「テキストから画像作成」を試す

Fireflyのサイトを見ると、利用可能な機能が幾つか並んでいます。

この中の「テキストから画像作成」が一番の目玉で、AIがプロンプト(作成指示文章)に応じて、画像を生成してくれます。

では、小難しい機能解説などはすっ飛ばして、早速作ってみましょう。

まずはSFっぽい画像を

私はSFが好きなので、まずは宇宙っぽい画像を作ってみます。

下部の文章欄にプロンプトを記入します。

プロンプトは「宇宙飛行士が月面でサッカーをしている

で、作成ボタンを押します。
わたしのPC環境だと5~10秒ぐらいで画像が4つ作成されました。

まあ、無難な仕上がりですかね。

アート風に」画像を作成しています。
これは変更することも可能です。

戦士っぽい画像を

次に戦士の激闘画像を作ってみます。

プロンプト
戦士と戦士が激闘 片方は剣、片方は槍 背景は草原

まず、アート風に。

次に、写真風に。

あまり激闘はしてくれませんでしたが、なんとなく写真風が気に入りました。
この中の右上のカメラ目線の女戦士画像をダウンロードします。

該当画像のダウンロードアイコンをクリック。

うーむ。
なんか思ってたものとは違うんですけど。
それに女性画像なのにアゴヒゲ生やしてるし・・
まあ、Fireflyは米国産なので米国流(いろんな意味で)なのかなw

現実的な画像を

もうちょっと現実的な内容にしてみましょう。

プロンプト
ガード下の屋台でオヤジが酒飲んでクダをまいてる

おい・・・
なんで中東なんじゃ(^_^;)
たぶん「クダ」を「ラクダ」と認識したのでしょう。

米国産のFireflyには「ガード下でクダをまく」という日本的状況が理解できないようです。

現実的、かつ世界共通な内容に

もう少し平易で世界共通な内容にしましょう。

プロンプト
パソコンで真剣に作業している新入社員

まずはアート風から。

左下の男性は、新人扱いされた中年リーマンという感じで悲しいです。
(人生哀歌みたいな・・)

で、写真風に

おおっ、良いですね!
初めてFireflyを誉めました。
どこかのブログのアイキャッチみたいな画像ですね。
(指が4本の人が気になりますが・・)

ちょっと欧米寄りなので、これを日本人顔にしてみましょう。

プロンプト
パソコンで真剣に作業している新入社員 日本人

左上の女性、顔が微妙に歪んでるのが妖怪っぽくて怖いです。

アニメっぽく作る

今度は、アニメっぽく作ってみましょう。

プロンプト
夏の風景 浴衣 アニメ風

アート風に

雰囲気は出てますが、首の感じがやはり妖怪っぽくて怖いです(>_<、)

背景のみで作ってみた

人物を入れると「妖怪化」が気になるので、人物抜きの背景画像を作ってみます。

プロンプト
SF 未来都市

写真風に。
アイキャッチに使いたいので「16:9」で。

良いです!これは実用レベルですな。
本記事のアイキャッチの背景に使いましょう(^^)v

機能設定・その他いろいろ

この「テキストから画像作成」の機能設定は画面右にあって、

  • 縦横比
  • コンテンツタイプ
  • スタイル
  • 人気
  • 色合い
  • ライト
  • 構図

ここを設定できるようになってます

作成される画像サイズは以下です。

  • 1:1 」1024×1024px
  • 4:3」1408×1024px
  • 3:4」1024×1408px
  • 16:9」 1792×1024px

短辺を1024pxで揃えているようです。

画像生成用の「生成クレジット」とは?

あと、Adobe Fireflyの正式版スタートに伴って、現状(2023/09)では有料版利用者のみは無制限に画像生成が行えます。

ただし、これは2023年10月までです。
11月からは画像生成に使用できる「生成クレジット」(月単位)が割り当てられます。

Adobe ヘルプページ

利用者は毎月生成クレジットの範囲内で、Fireflyによる画像生成が可能となります。

有料版利用者は毎月100の生成クレジット、無料版利用者は毎月25の生成クレジットを利用できます。

「1クレジット=1枚画像作成」なのかは、現時点ではよく分かりません。

また、クレジットが尽きてしまった人はどうなるのか?
その場合は、処理速度が低下した状態での利用となりますが、それが嫌なら追加のクレジットを購入(11月以降)するしかありません。

現時点での評価

以上、Adobe Fireflyをざっと試してみました。

プロンプトには思いつきで文章を入れました。
が、実際に実用的な画像を作るのなら、もっとプロンプトを工夫して精緻なものにしないと厳しいでしょう。

それに右側の設定も、作る画像に合わせて詳細に調整した方が良いでしょう。

ちなみに、以下のような解説サイトも出現しています。

Adobe Fireflyのプロンプト例を紹介!認識精度や対応言語についても解説

こういうのを見ると、生成画像はプロンプトと設定次第で大化けするような気もします。

あと、人物を入れるとすぐに「妖怪化」するのが気になりました。
指が6本だったり、顔が歪んでたり・・・

なので、現状は背景画像として使うなら実用的かな、と思いました。

ただ、画像生成AI界隈は爆速で進化しているので、Adobe Fireflyも小刻みにアップデートを繰り返していくと思います。

WEB制作と他分野への影響について

Fireflyも含めた画像生成AIが、いろいろな分野に与える影響については、長くなるので後日に一つの記事にしようと思っています。


創ken

Adobe Firefly、試しに使ってみましたが、なかなか面白かったです(^^)v

ゆるこさんのイラスト

今後は、これ使って素材分野に参入する人とか増えるんだろうな。

創ken

参入障壁が低くなると、当然、競争者が増えます。
競争が激化すると単価が下がります。
AIが導入される業界には、この問題がつきまとうように思いますね。

ゆるこさんのイラスト

なるほどな。
そして、それを嫌うクリエイターは、より巧緻な方向に自分の技量を磨くしかないわけだ。
逃げる方向は上昇のみ、というわけか。。

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