面白かったライトノベル紹介 (その4)「異世界創造のすゝめ」

面白かったライトノベル紹介 (その4)「異世界創造のすゝめ」

自分が読んでみて大変面白かったライトノベル(ラノベ)をご紹介。
今回は「その4」。

異世界創造のすゝめ』です。

ぶっ飛んだストーリー展開

この作品を読み始めた当初、『異世界創造のすゝめ』というタイトル名からして、シムシティのような神様視点の世界創造・文明創造的な話しかなと思っていました。

ところが、ストーリーが進むにつれて、意外な方向に物語が展開し始めます。
ここまでストーリーがぶっ飛んだ、複線化したラノベは珍しいです。

あらすじ

以下、出版社による1巻のあらすじ。

とある冴えない中年の俺がインストールしたのは、謎のスマホアプリ『異世界創造のすヽめ』。
それは創造神として惑星の生命、種族全てをあやつるゲームだった。
そんなある日、新機能により画面の中に「プレイヤー」として転移してしまう!
日本と行き来できると知った俺は、脱社畜を目指し、人生初の有給を取ってレベル上げに勤しむことに。

3つの軸で話しが進行

この物語は主に3つの軸で流れが進行します。

A, 異世界の創造主視点
B, 異世界内の冒険者の視点
C, 現実世界の主人公視点

A・B・C共に同一人物(主人公)です。

当初は「A」で始まり、途中で「B」が加わり、「C」が始まって異世界から現実世界へ物品の移動・能力の保持が可能になります。

最初は創造主視点で話しが進むが・・

平凡な会社員だった主人公氏が、スマホに妙なゲームをインストールしたところから物語は始まります。

ゲームの名前は『異世界創造のすゝめ』。
ネット上に何の情報も無い謎のゲームでした

ゲームは、銀河系内のとある惑星に海や大陸を作り、生命を進化させ、文明を作っていく流れです。

プレーヤーは資源やマナ(魔力?根源エネルギー?)を使って、生命を繁殖させていきます。

と同時に、ゲーム内では進化の過程でマナを簒奪する魔族と呼ばれる異分子も生じます。

やがて惑星上には文明が栄え、各地に国家が成立し始めます。

ストーリーモードの開始

ここからゲームに「ストーリーモード」が追加されます。

ストーリーモードとは、ゲーム内に自分のキャラクターを創造し、それを使って世界の中で遊べる機能です。

喜んだ主人公氏は即ストーリーモードを開始。
ここから物語は「B」に切り替わります。

ストーリーモードでの自分のキャラクターは、スマホで操作するわけではありません。
没入型RPGとでも言いましょうか、自分自身がゲーム内に飛ばされ、キャラそのものになってしまいます。

こんなことが現実にありえるのか?
困惑する主人公氏。

現実世界での活躍

一旦、ゲームをログアウトした主人公氏。
何故かゲーム内の自キャラで培った「戦士」や「鑑定」などのスキルが、現実世界の自分自身も使えることに驚きます。

さらに驚愕したのは、ゲーム内で収納した物品が、現実世界でもそのまま取り出せること。

またまた混乱する主人公氏。
ここで彼は買い物からの帰り道、チンピラに絡まれていた一人の少女を救います。
それが何故か日本政府に関係する某組織の跡取り娘でした。

ここからさらに話しが展開して「C」へと進んでいきます。

多線化したストーリー

正直、これほどストーリー解説が難しいラノベは珍しいです(^_^;)

同時に、この多線化したストーリーを、何の違和感無くサクサク楽しく読ませるのは作者氏の力量でしょう。

ラノベにありがちな「お約束的展開」がなく、読者には次に何が起きるのかがサッパリ読めません。

魅力的なキャラ達

面白いラノベには魅力的なキャラクター達が登場しますが、この作品も例外ではありません。

主人公の作成した自キャラ「ケンジ」。

暴走する幼女戦士「ミゼット」。
創造された世界を守護する龍神と世界樹。
それに刃向かう魔神。
魔の勢力と戦う賢者と剣聖。

陰陽師の跡取り娘・美少女Aこと「戸神黒子」とその祖父。
陰陽師の大敵「妖狐九尾」と、おにぎりに弱い末娘の「紅葉」。

続刊は?アニメ化は?

この物語は今のところ2巻まで出版されています。

で、そこから作者氏は他のシリーズに忙しいらしく、続刊を書いてません。

まあ、これだけ話しを広げすぎると、収拾つけるのが難しいのかもしれませんが、頑張って3巻以降を書いてほしいものです。

当然、まだ2巻止まりですからアニメ化は難しいでしょうね。
うーむ、動く紅葉を見てみたかったような気もします。。

総評

ラノベのお約束展開・使い古した手法に飽きた人にはお薦めの、ぶっ飛んだ作品です。

次はこうなるんだろうなあと思いつつ読んでると、全く予想外の展開が始まり、いったい作者氏の頭の中はどうなっているのでしょうか?(良い意味でw)

また、異世界で魔神の手先と激しく戦いつつも、その魔神すらも自らが創造した存在の一部であるという「観点の切り替え」が面白く感じました。

今回、ブログに紹介記事を書くに当たって、久々に再読してみましたが、最近のラノベには無い新鮮さが良いです。

現在、2巻まで刊行中

上記の通り、物語は現在(2023/9/11)2巻まで刊行されています。

両巻共にKindle Unlimitedに加入してると無料で読めます。

異世界創造のすゝめ~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る

異世界創造のすゝめ2~スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る


okamicreさんのイラスト

「面白かったラノベ」シリーズもこれで4作目だな。

創ken

こういう書評って、あまりネタバレせずに作品を論評するのが難しいですね。。

okamicreさんのイラスト

書きすぎるとネタバレになるし、かと言って、内容にある程度踏み込まないと論評も難しい、というわけか。

創ken

まあ、記事見る側はそこまで考えずに読んでるんでしょうけど、自分で書く側になって、このバランスが難しいなと実感しております(^_^;)

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