米国のGoogle独禁法訴訟の行方:会社分割の可能性も

米国のGoogle訴訟の行方:会社分割の可能性も

米国にてGoogle検索に関する「独占禁止法違反訴訟」の判決がありました。

今回は、この訴訟の行方について。

「独占禁止法違反」の判決

今年の8月5日、米国にてGoogle検索に関する「独占禁止法違反訴訟」の判決がありました。

Googleが違法に独占を維持している」との結果です。

Googleの検索サービスを巡る米独禁法訴訟、「Googleは独占企業」との判決

この判決を受けて米司法省は、独占解消に向けた措置に関する文書を米連邦裁判所に提出しました。

この措置の内容は、事業や会社の分割も書かれてるようです。

一方、Googleはこれに控訴するようです。

また、翌9月には別の独禁法裁判がGoogle相手に始まっています。
こちらはGoogleの広告技術をめぐる裁判です。

米国の独禁法

米国の独占禁止法は、戦前に巨大なスタンダード石油を分割に追い込みました。
有名な「ロックフェラー帝国の解体」です。

戦後は、80年代にAT&T(巨大通信企業)を分割。

2000年にはMicrosoftが標的となりましたが、彼らは何とかこれを逃れました。
ただ、その代償として様々な譲歩を余儀なくされました。

Google分割案の中身は?

報道によるとGoogle分割案は、米司法省にて以下のような内容が検討されたようです。

  • ブラウザのChromeと、スマホのAndroid OSの事業切り離し
  • Googleに競合他社へのデータ提供を強制する
  • iPhoneなどの他のデバイスで「検索エンジンのデフォルトをGoogleとする」取引の放棄
  • 検索連動型広告「アドワーズ」の売却要求
  • 人工知能(AI)製品で不当な優位性を得るのを防ぐ

米司法省がグーグル分割要求を検討、独禁法訴訟で勝訴後-関係者

こんな感じで、Googleの分割や部分的解体を含む強硬措置から、より緩やかな措置に至るまで、様々な案が議論された、とのこと。

「独禁法違反判決」は不可避だった

有名なIT系雑誌「WIRED(ワイアード)」は、今回の判決を受けて以下のような記事を書いています。

グーグルの台頭は必然であり、“独禁法違反”判決も不可避だった

曰く、

「大企業による支配のひとつの節目」

「優れた製品やイノベーションによって市場を独占することは合法だが、競争を制限するような独占状態を維持する行為は違法である。だから、グーグルは法律に違反していると判断された。」

インターネットの経済では勝者総取りが起こりやすく、この判決が下るのはずっと前から明らかだった

とのこと。

この最後の意味深な文章は、他のビックテック(巨大なIT系企業)にも当てはまるでしょう。

Apple・Amazon・META(facebook・Instagram)、さらにはMicrosoft、などです。

この訴訟の表の意味と裏の意味

実は、この訴訟には表の意味と裏の意味があります。

表向きは、

「独占状態を打破ことにより、公正な市場競争を作り出す」

裏の意味は、

「ビックテックによる情報統制を打破する」

です。

これは今回の米大統領選にも通じています。

米大統領選の行方も・・

間もなく勝敗が決する米大統領選。
おそらく数日中には結果が確定するでしょう。

どちらが勝つにせよ、Googleにとっては不利になりそうな雲行きです。

トランプさんが勝った場合

共和党のトランプさんは、前回の選挙時からGoogle検索は「偏向している」「明らかな選挙干渉」として、司法省に訴追を求めています。

また、彼は当時の「Twitter(現X)」や「Facebook」からアカウントを停止されるなど、ビックテック相手に苦杯を喫しました。

私は、Facebookのザッカーバーグが、選挙後に共和党の議員達から、連邦議会でつるし上げられていたニュース映像を、今でも覚えています。

ザッカーバーグはこの時、珍しくスーツを着てましたね。。

トランプさんが大統領に返り咲けば、これらビックテックに対して、何らかの動きに出る可能性は高いと思います。

ハリスさんが勝った場合

ハリスさんが勝った場合、これは予測が難しいです。

選挙戦においてハリス陣営は、ビックテックから巨額の献金を受けています。

MS、Facebook、アルファベット(Google)、Amazon、等々。

同時に、ハリスさんは選挙出馬時の公約を見る限りは、明らかに左派的な思想の持ち主です。
「上からぶんどって、下にばらまく」
こういう再配分的なことが、お好きなようです。

これ考えると、案外、この人はGoogleのような超巨大企業にはかなり厳しくなるように感じます。

仕事にも影響

仮に、Googleに対して何らかの措置が成された場合は、長い目で見てWEB制作にも大きな影響を与えるでしょう。

特に「Google検索」の行方です。

米国は基本は原理原則の国なので、あまり日本的なファジー感覚で軽く考えない方が良いでしょう。

私含めてWEB制作の同業者は、これ以降のニュースに留意した方が良さそうですね。


イチタさんのイラスト

なんか、今回は君にしては珍しく硬派な記事だな。

創ken

仕事やWEBに影響する話しですから、たまにはこういうのも良いでしょう。

イチタさんのイラスト

プラグインの解説記事ばかりじゃ、君だって飽きるしな。

創ken

いや、そういうわけでは(^_^;)
・・まあ、以前に時事系のブログも運営してましたし、こういう記事は書いてて楽しいですね。

イチタさんのイラストページ