今から20~30年前ぐらいの出来事。
私はその頃は東京に住んでまして、夜中の散歩が大好きでした。
今回は深夜徘徊に興じた話し。
仕事帰りに徒歩で帰宅
当時、私は東京で某脳筋系企業に勤務しておりました。
勤務地はいろいろ変わりましたが、ある時期、渋谷駅前のビルに勤務していました。
翌日が休みの日などは、退勤後は家まで徒歩で帰宅してました。
家は調布で、通勤時間は電車だと1時間ぐらい。
これが徒歩だと4~5時間程度かかります。
距離はざっと15キロぐらい。
散歩というより、ほとんど「遠足」の領域ですな。
勤務が終わった18時以降に、考え事しながらテクテクと歩いて帰るのが好きでした。
夜の京王線沿いを歩く
当時は私も20代末で、体力が有り余っておりました。
仕事が終わり、明日は休日。
「さー歩いて帰るか」と勇んで渋谷を出発します。
同僚には「!?」みたいな奇異な目で見られてました。
渋谷から一旦北上し、NHKの放送センターを起点として西に西に向かいます。
途中、明大前から京王線沿いをひたすら歩きます。
で、仕事終わりのサラリーマンやOL、飲食店街を横目で見つつ、あれこれ考えるわけです。
「この店は繁盛してるな」とか、
「あ~この店は立地が悪い。ヤバそうだな」とか、
「あんな格好が流行ってるんだ」とか、
「子供はさっさと家に帰りなさいよ!」とか、
いろんなことを考えながら歩くのが好きでした。
京王線沿いの地理風物の観察も面白かったです。
当たり前ですけど、駅に近づくと街の繁栄が増し、電気もグッと明るくなります。
逆に、駅と駅の間は人が閑散となり、住宅街の様相になっていきます。
途中疲れてくると、適当な店に入って軽く食べたりして、この自由な「買い食い感」も楽しみでした。
帰宅するのはだいたい22時から23時あたり。
さすがに疲れ果てて、シャワーあびてから爆睡してました。
何故、夜の散歩が楽しいか?
それは歩きながら考え事をするのが楽しいからです。
考え事に「うーん」と集中するのも良し。
考えに疲れると、夜のしじまを観察するのも良し。
それを邪魔する者などいません。
昼の散歩だと、こうはいきません。
明るいと周囲の情報に妨げられて、思考が散漫になってしまいます。
調布近辺を深夜徘徊
私は東京在留中は無趣味な人間で、趣味と言えば「読書」と「散歩」ぐらいでした。
退勤時以外でも、日常的に暇があれば数時間ほど歩くのが普通でした。
当時、調布のアパートに住んでいたので、近隣の府中・聖蹟桜ヶ丘・多摩センターは大好きな散歩コースでした。
多摩センターなどは電車に乗って行って、そこから散歩しながら調布まで帰りました。
ここまでくると「散歩狂」のレベルですなw
だいたい夜が多く、深夜徘徊が定番となってました。
今さらながら「当時、職質されなくて良かったな~」と思いますね。
深夜に会った奇怪な女性
ある日、深夜に散歩してると奇怪な人に出会いました。
夜の22時あたり。
途中で霧雨が降ってきて、やむなく私は雨に濡れながら歩いてました。
府中~調布間の住宅街の小道です。
そんな時刻のそんな天気なのでほぼ誰も通ってなかったです。
ふと前を見ると、女性がこちらに向かって歩いてました。
女性は30~40代ぐらいのOLか主婦みたいな感じ。
普通の感じの人でしたが、よく見ると頭の上に何か白い長い円筒形のようなものを載せてます。
「・・・えっ、なんだあれ?」
で、近づくと円筒形の正体が分かりました。
女性はコンビニかスーパーの白いレジ袋を頭にかぶってました。
レジ袋の取っ手は左右の耳に引っかけています。
頭上の白い袋が風でゆらゆらと揺れてるのが、妙にシュールでした。
たぶん、髪が濡れるし、誰も歩いてないからいいや、ってことでかぶったのでしょう。
・・いや、でもさ、こんな格好で恥かしげも無く歩く女がいるとは!
女性も私の存在に気づいたのか、ギョッとしてましたが、一瞬で覚悟を決めたようで、毅然と胸を張ってスタスタとすれ違って行きました。
レジ袋をかぶったまま・・
すごいものを見てしまったと思いましたw
田舎に帰ってから・・・
40歳になって、私は東京から帰郷。
故郷の福岡県の田舎に戻りました。
故郷でも、何回か夜に散歩してみました。
しかし、都会と田舎では、深夜徘徊の難易度が違ってきます。
まず、照明の多さが違います。
田舎は暗いです・・
次に、虫の有無。
田舎はハンパなく虫が多いです。
東京では、散歩中に虫に悩まされたことなど無かったです。
ある時、私は夜の田舎道を散歩しておりました。
暗い中を何かの虫が飛び交ってます。
少ない外灯の周りでは大きな蛾が乱舞してます。
たまにカナブンか何かが顔に激突して、その度に「うわっ!」と悲鳴を上げ、はずみで横の田んぼに落ちそうになりました。
・・・これ以降、深夜徘徊は諦めました。
東京の頃と違って、地理的にも年齢的にも、もう無理だなと思いましたw
今となっては楽しい思い出です。

まあ、今となっては職質されなくて良かったと思っています(^_^;)

こういうのは治安の問題もあるし、外国じゃ難しいだろう。
日本ならではの「趣味」だよな。

治安の良い国、都市部、整備された外灯と道路、未婚の若者。
こういう条件が揃わないと無理でしょうね。。
君の「深夜徘徊顛末記」だな。
20~30代のありあまるエネルギーを感じたよ。